収納のプロはやっている|モノを減らさずに空間を広げるテクニック7選

片付けの上級テクニック

モノを減らすだけが片付けじゃない

片付けや収納と聞くと、「モノを減らす」「断捨離をする」ことが前提だと思っていませんか?

たしかに、不要なモノを手放すことは大切です。

しかし、すべての人がそれを望んでいるわけではありません。

思い出の品、趣味のコレクション、家族との生活で自然と増えていくモノたち。

簡単には減らせない事情があるからこそ、「減らさずにスッキリ暮らす方法」が求められています

この記事では、モノの量を変えずに、空間を広く、暮らしやすくするための具体的なテクニックを7つご紹介します。

収納のプロが実践している、ちょっとしたコツと考え方を学んで、自分の暮らしにも応用してみましょう。

 

 

1. 「空中」を使う

 

見逃しがちな上部スペースの活用

家の中には、目には入っているのに「使っていない」空間がたくさんあります。

たとえば、家具の上、冷蔵庫の上、壁の高い位置、天井近くなど。

これらの「空中スペース」は、収納のプロが見逃さない場所です。

市販のウォールシェルフを設置したり、天井に近い位置に突っ張り棒+ワイヤーバスケットを設けたりするだけで、新しい収納スペースが誕生します。

特に、使用頻度が低いアイテムや季節モノの保管には最適です。

「床に置く」ではなく「空間に浮かせる」

この発想の転換で、部屋の圧迫感を軽減しながら、収納力を上げることができます。

 

 

2. 奥行きを味方にする

 

「取り出しやすさ」を保つ収納術

奥行きのある棚やクローゼットは、うまく使えば大容量の収納が可能です。

ただし、奥にしまったモノが取り出しにくくなったり、存在を忘れてしまったりするリスクもあります。

そこで活躍するのが、スライド式のトレーや、キャスター付きの収納ケースです。

前後の空間を引き出しのように使うことで、奥のモノもスムーズにアクセスできます。

また、手前と奥で「使用頻度の違い」によってモノを分類するのもポイントです。

たとえば、手前には日常的に使う道具、奥には予備や季節限定のものを置くなど、ルールを設けておくと管理がしやすくなります。

 

 

3. 高さを揃える

 

「積む」「立てる」で密度を上げる

収納の“面積”ではなく“体積”に注目すると、無駄な空間が見えてきます。

特に引き出しや棚では、「上の空間が余っている」「高さがバラバラで無駄が多い」ことがよくあります。

スタッキング可能なボックスを活用する、同じ高さのケースで揃える、またはファイルスタンドなどで「立てて収納」することで、縦の空間も効率よく使えるようになります。

実際、立てて収納することで「どこに何があるか」が一目でわかるようになり、探す時間も激減します。

空間の密度を上げながら、見やすさと取り出しやすさを両立するのが理想です。

 

 

4. 一時置きの定位置をつくる

 

“仮の場所”が片付けを楽にする

毎日生活していると、今まさに使っているもの、あとで片付けようと思っているものが、ついテーブルや床に置かれたままになることがあります。

それが積み重なると、「散らかっている」という印象につながってしまいます。

そんなとき有効なのが「一時置き場」の設定です。

玄関に帰宅後の荷物を一時的に置けるカゴを設けたり、リビングに読みかけの本や新聞のためのトレーを用意したり。

使い終わったモノを戻すまでの“仮の居場所”をつくることで、部屋全体の散らかりを抑えることができます。

これは収納の“完成度”を求めるよりも、“流れ”を意識する考え方です。

片付けのハードルを下げることで、自然と整った空間が保たれるようになります。

 

 

5. 動線に合わせて収納する

 

人の動きを優先する

収納上手な人ほど、「使う場所に置く」を徹底しています。

つまり、キッチンで使うものはキッチンに、洗面所で使うものは洗面所に。

わざわざ取りに行かなくていい場所に置くことで、生活がスムーズになるのです。

これは「動線収納」と呼ばれ、暮らしやすさを格段に高めてくれる考え方です。

特に家事動線を意識することで、無駄な動きが減り、使ったあとに「元に戻す」動作も自然と身につきやすくなります。

たとえば、玄関にマスク・鍵・印鑑のセットをまとめておく。

キッチンではラップ、布巾、よく使う調味料を一箇所にまとめておく。

このような小さな工夫の積み重ねが、片付けのストレスを減らしてくれます。

 

 

6. 見せる収納×隠す収納

 

バランスが“抜け感”を生む

「全部隠したい」と思っていませんか?

実は、すべてを収納して隠してしまうと、かえって圧迫感を感じることもあります。

収納のプロは、見せる部分と隠す部分のバランスをとることで、“抜け感”のある空間をつくっています。

たとえば、色味を揃えた食器や本は、オープン棚にあえて見せて収納。

逆に、雑多な小物は布やボックスでやわらかく隠す。

このように、視線が抜ける部分と留まる部分を意識することで、空間にリズムが生まれます。

見せる収納は「飾る」要素にもなり、部屋に個性や温かみを加えることができます。

無理にすべてを隠そうとせず、見せていいものは“見せて整える”という発想が上級者らしさのポイントです。

 

 

7. 定期的に“見直す”ことで、収納は成長する

 

暮らしの変化に合わせて整える

収納とは一度完成すれば終わり、というものではありません。

むしろ「生活の変化に合わせて、見直し続けること」が、快適な暮らしのカギになります。

季節の変わり目、引っ越し、家族構成の変化、ライフスタイルの見直し。

こうした節目に合わせて、収納も微調整していくことが大切です。

特におすすめなのが「3ヶ月ごとの見直し」

このタイミングで、「最近使っていないモノ」「使いにくい配置」「新しく増えたアイテム」などを整理することで、収納スペースがリフレッシュされ、無理なく持続できる片付け習慣が生まれます。

 

 

おわりに:工夫次第で、空間はもっと広がる

 

モノを減らさなくても、空間は広げられます。

それは「収納力を上げる」というより、「収納の質を上げる」という発想です。

今あるモノと空間をどう使うか。

その工夫こそが、暮らしやすさにつながっていきます。

どれも一度にやる必要はありません。

気になるテクニックから少しずつ取り入れて、あなたらしい収納スタイルを見つけていきましょう。

日々の小さな工夫の積み重ねが、快適な空間と心地よい暮らしをつくってくれるはずです。

タイトルとURLをコピーしました